オクラホマシティ・サンダーは11月13日(日本時間14日)、ニューヨーク州ニューヨークのマディソン・スクエア・ガーデン(MSG)でニューヨーク・ニックス(6-6)と対戦。試合は145-135でサンダーが勝ち、2連勝となった。
この試合の欠場選手
- サンダー:チェット・ホルムグレン(ケガで全休)、ダリアス・ベイズリー(足首捻挫)
- ニックス:ミッチェル・ロビンソン
GAME RESULT : OKC 145 – NYK 135 W 6-7 (13/82)
STARTING FIVE
ニックスが球団の未来を託したとされるポイントガード、ジェイレン・ブランソンをルーゲンツ・ドートが守り、同じカナダ出身のRJ・バレットをシェイ・ギルジャス・アレクサンダーが守る形でティップオフ。
ペイント内で得点をするのが好きなところがサンダーと似ているニックス(下の数字参照)は、リバウンドも強く(リーグ2位:サンダーは6位)、サイズがある。
ということで、サンダーはアレクセイ・ポクシェフスキーとジェレマイア・ロビンソン・アールをスタメンに起用。
GAME FLOW & STATS
サンダーは第1Qに36得点したものの、自分たちのバスケをさせてもらえず、逆にニックスにペイント内に得点を重ねられて13点差をつけられる。しかし、第2Qからは好調なシューティングを維持したまま、ディフェンスが良くなり、少しずつ相手を止めることに成功し、前半終わって79-73と逆転。
第3Q序盤に再びニックスのインサイドのインテンシティ(激しさ・強度)があがり、サンダーのファウルがかさむ。それでもサンダーは攻守ともに絶好調をキープし、122-105とリードを広げて第3Qを終える。最終Qにニックスに一度は点差を1桁まで縮められたが、最後はしっかり守って勝利となった。
TAKEAWAYS from the GAME
サンダー記録づくし!
- 第1クォーター、ニックスに今季チーム最多の48得点を許す
「自分たちが望むスタートが切れなかったのは明らか。第2Qに入って、自分たちのやりたいバスケができて試合をコントロールできるようになった。しっかり軌道修正ができたと思う」 — マークHC
- 第2Qだけで今季チーム最多の43得点をマークする
- 前半でフィールドゴール成功率67.4%(31/46)という球団記録を作るまさか、この(オフェンスがダメな)メンバーでFG成功率が「球団記録」になるとは!
- 前半で79得点は今季チーム最多
- 145得点を記録したは2018年1月20日以来
※対クリーブランド・キャバリアーズ:148-124(ポール・ジョージ36得点、ラッセル・ウェストブルック23得点、アーメロ・アンソニー29得点、スティーブン・アダムス25得点)まさか、スーパースター揃いの頃の記録に続くとは! - 最終的に、今季チーム最多のFG成功率62.5%を記録する
- MSGでのニックス戦、サンダーはこれで5連勝
- ギディーが今季初のトリプルダブル達成(24得点、10リバウンド、12アシスト)
- ギディーは、MSGでの最初の2試合でトリプルダブルを記録したの史上2人目の選手(もう1人は1968年のウィルト・チェンバレン)
※昨シーズン、MSGでの最初のトリプルダブル(28得点、11リバウンド、12アシスト)を達成したのは2022年2月14日(同15日)で、MSGにおける史上最年少トリプルダブル達成という記録を作っている。
「次にここに戻るのが待ち通しい」MSGで輝くギディー
今季初のトリプルダブルを達成し、MSGでの最初の2試合でトリプルダブルを記録したの史上2人目の選手として、チェンバレンと一緒に自分の名前が語られたギディーはこう話した。
「歴代の偉大な選手と自分の名前が並ぶのはいつでも特別なこと。でも、バスケットボールはチームプレイだから、それが、周りのチームメイトが良くなるのを助けて、チームの勝利につながるなら価値がある」
ケガから復帰して以来、本来のプレイができていなかったギディーは、ここ数試合でかなり調子が戻ってきているように見える。それはマークHCも同意見のようだ。
「ジョシュは序盤に苦戦していた。素晴らしい夏(オフ)を過ごしてプレシーズンも調子が良かったのに負傷してしまい、戻ってきてからはリズムが少し乱れているよに見えた。だから今日の活躍を嬉しく思うよ」
「本来の自分に戻そうと、彼はすごく努力したんだ。そこはとても楽観的な材料だったね。彼が前向きに頑張り出してから、どんどん良い方向に行っていると思う」
昨シーズン、MSGでトリプルダブルを達成した時も「次が楽しみだ」と話していたギディーは、この試合後も同じ言葉を繰り返した。
「ここには1年に1度しか来れないから、ここでのプレイを楽しまなきゃね。戻ってくるのが待ち遠しいよ」
ニックスは、来シーズンもギディーに要注意だ。
(その前に来週OKCでまた対戦するけれど)
「僕はかなりいいバスケ選手だと思うんだ」この日も大活躍のシェイ
「アイソレーションやトップからのドライブは、必ずしも簡単じゃないんだ。僕はまあまあできるほうだって言いたいところだけど、プレイ・オフ・ザ・キャッチの方が楽だよ」
毎試合、どうやったらそのショットが入るのか、どうやったらペイント内で待ち構える数人のディフェンダーをすり抜けていけるのか、信じられないショットの数々を見せるシェイが、試合後に言った「まあまあできる」の一言。
かと思えば、選手のランキングについて聞かれるとこんなコメントで返すシェイ。
「僕はかなりいいバスケットボール選手だと思うんだよね。ランキングのことはよくわからないけど、とにかく僕は自分がもっと良くなるために努力して、このチームでベストな選手になろうと思っている」
会見では謙虚な姿勢で言葉を選び、同時にそこかしこに自信も滲み出るシェイだが、この日もあれよあれよと得点を重ね、37得点(FG13/22、3P2/3、FT9/10)を記録した。
圧巻だったのは、第3Qだけで21得点をあげてチームを勢いづけたところだ。
さらに、8アシスト、5リバウンド、3スティール、2ブロックをマーク。チームメイトを助け、ディフェンスでも誰よりもハードにプレイしている。
ANOTHER two-way highlight from Shai Gilgeous-Alexander 🔥@okcthunder | #ThunderUp pic.twitter.com/umdVTftEKM
— Bally Sports Oklahoma (@BallySportsOK) November 13, 2022
「あれだけの活躍を見せてくれたら、僕は喜んで他のみんなと同じように座って見ているよ」
シェイの活躍についてギディーはそう話すが、ギディーには座っていてもらっては困るのだ。
「僕らのケミストリーはどんどん良くなってきている」
2-3 combo 🤝 pic.twitter.com/cGIY9hQV8M
— OKC THUNDER (@okcthunder) November 13, 2022
シェイとギディーは同じコートで共存できるのか? 同時に活躍できるのか?
それがずっと話題になっているだけに、この日の2人同時の活躍は誰もが待ちわびていたことだと思う。
改めて2人のスタッツを並べてみよう。
- シェイ:37得点(FG13/22、3P2/3、FT9/10)、8アシスト、5リバウンド、3スティール、2ブロック
- ギディー:24得点(FG10/14、3P2/3、FT2/2)、12アシスト、10リバウンド
2人合わせて61得点、20アシスト、15リバウンド、3スティール、2ブロックだ。
こんな数字を出されたら、相手チームもたまったものじゃないだろう。ニックスのシボドーHCもこう言っている。
「ギルジャス・アレクサンダーとマッチアップするのはタフだ。それはギディーも同じ。あの2人は個々にガードしてもダメなんだ。チームで止めなくちゃいけない。我々には不足していたのはそこだよ」
2人を守るためにヘルプが来れば、他の誰かがオープンになる。
そんな理想的なバスケが(安定して)繰り広げられる日が来るのだろうか。
試合後にギディーが言ったこの言葉を信じていいのだろうか。
「(シェイと)一緒にプレイするのは最高だし、僕らのケミストリーはどんどん良くなってきている。僕らが今後、長期にわたってとんでもなく素晴らしいバックコートであり続けられたらいいなと思っているよ」
それが実現し、そこにチェットが加わったら、サンダーはきっと強くなれる。
もちろん、今日くらいショットを決めてくれるのがベスト。
マディソン・スクエア・ガーデンでのシェイとギディーの素晴らしい活躍。チェットも早く一緒にプレイしたいだろうなぁ。 pic.twitter.com/WrEo89qZgR
— YOKO B (@yoko_okc) November 13, 2022
「今日の数字はあてにできない」出来すぎのオフェンス
「今日のような数字を当てにすることはできないが、こういう結果になったのは、我々のペースとプレイの仕方が大きかったと思っている」—マークHC
「出だしはスローテンポだったけど、みんなで団結してアンセルフィッシュに戦ったこと、試合のほぼすべてを速いペースで戦ったことが、高得点につながったと思う」—シェイ
サンダーがこれほどオフェンスの調子が良いことはほぼ皆無だし、継続するとは思えない。試合中も心のどこかで、途中から外れまくるのではないかと疑ったほど、サンダーはショットが決まらないがど定番なのだ。
なのに、この試合では絶好調だった。もちろん運もあるだろう。でも一番大きかったのは、ボールが良く動いたこと。
「決まったショットのほとんどがチームで作り上げたものだったように思う」
「我々は正しいショットを打って、正しいパスをした。誰も無理な攻めをせず、ボールを動かしたから空いている選手にわたったという感じだ。みんな戦闘モードだった。良いオフェンスだったね」
まさにマークHCが言う通りだった。
Back-to-back stops on defense allow the Thunder to capitalize offensively 🔥 pic.twitter.com/oDjtJoBjg7
— OKC THUNDER (@okcthunder) November 13, 2022
SGA drops off a sneaky dime to Lu slipping to the rim pic.twitter.com/WIxyehkq5O
— OKC THUNDER (@okcthunder) November 13, 2022
サンダーは先発選手が全員二桁得点。
- ドート:24得点(FG8/11、3P2/5、FT6/6)、3リバウンド、1ブロック
- JRE:17得点(FG7/9、3P3/4)、7リバウンド
- ポク:12得点(FG5/8、3P2/4)、3アシスト、2リバウンド、1スティール、1ブロック
その他にも、久しぶりに長めのプレイタイムをもらったアイザイア・ジョーが大事な場面で3Pを2本沈めたほか、守備でも活躍を見せ、JDubことジェイレン・ウィリアムズがルーキーとは思えない安定した仕事をしている。
なお、トレイ・マンは背中の痛みで後半は出場しなかった。
正直なところ、シェイとギディーで他の選手がかすんでしまっているのは致し方ない。とにかくこの試合はいわゆる全員バスケをしていたことは間違いなく、見ていてとても気持ちが良かった。
ただし、何度も言うが、こんなオフェンスは続かないので、気持ちを切り替えてさらにディフェンスを頑張ってほしい。
NEXT GAME: 11月14日 第14戦はアウェイでセルティックス対戦
サンダーの第14戦は、11月14日月曜日午後6時半から(日本時間15日火曜日午前9時半から)、マサチューセッツ州ボストンのTDガーデンでボストン・セルティックスと対戦。
サンダーはニックス戦を皮切りに長い遠征が続き、セルティックス戦はBack to Back。疲れているタイミングで当たりたくない相手だが、格上チームを相手に勢いに乗ってどこまで戦えるか注目したい。