6月の終わりに、オクラホマシティ・サンダーのホームアリーナであるペイコム・センターで、この夏、大きなリノベーションが行われていることを記事にした。
このリノベーションはもともと想定されていたものだが、実は当初の計画ではこの程度のリノベーションの予定ではなかった。アリーナ内のサンダーショップの拡大やアリーナ横の空き地にレストランなどのファンが集えるちょっとしたエリアを作ることなど、色々と計画されていた。
しかし、おそらく新型コロナウイルスのパンデミックの影響で事情が変わり、新アリーナ建設の話も出てきて、そこまでのリノベーションは必要ないと判断されたのだろうと推測している。
この夏の大きなアップグレードは、センタースクリーンの大型化とアリーナの全シートを新品のものに総入れ替えすること。
それだけでもすごいと思ったのだが、実際にペイコム・センターに足を踏み入れると、そこには私の想像以上の変更があった…。
一体何が変わったのか。
今回は、サンダーのメディアデーの翌日、10月3日に行われたシーズンチケット購入者向けのイベントで見たペイコム・センターの様子をお届けする。
想定していたペイコム・センターのリノベーション
事前にリポートしていた大きなものは以下の2つ。
実際にアップグレードされていたその様子からまず説明しよう。
アリーナの全シート入れ替え
1階から3階までのすべての席がアップグレードされた。
1階席はすべてのシートにカップホルダーが付けられ、シートもちょっと固すぎるくらいにしっかりしていた。シートの幅はおそらく変わっていないが、足元のスペースが以前より広くなっていた場所はあると思う。
3階席のシートはその幅や足元のスペースは変わらないようだが、シートは一新。もちろん1階席のような厚みのあるシートではないが、かなりくたびれていたので必要なアップグレードだと思う。3階席にはカップホルダーはなし。
2階は見にいっていないので不明だが、相応のアップグレードになっているはず。
大型スクリーン / スコアボード刷新
そして、目玉といってもいい、センターにどーんと構える大型スクリーン。
実物の写真から見ていこう。
Paycom Centerの大型スクリーンの実物はこちら💁🏻♀️
想像以上に大きかったです。というか、いかに今までが小さかったかを実感しました。 https://t.co/WYplYE5g7R pic.twitter.com/qaXngUcaPH
— YOKO B (@yoko_okc) October 4, 2023
上の2つの写真は1階席の前のほうの席から見上げるように撮影している。内側の部分にもスクリーンがあって見やすくなっている。
4枚のスクリーンのサイズも大きくなったが、表面は曲線を描いて左右に少しずれた席からも見えるようになっていて、さらにスクリーンは縦や横などに分割して映像を流すことができる。
このスクリーンに選手のイントロダクションが流れ、リプレイが流れ、スコアが表示されるのは、かなり楽しみだ。
昨季のアリーナと今のアリーナの比較
せっかくなので、ほぼ同じ位置から撮影した写真でその大きさの違いを比べてみよう。
ちょっと頭がバグるくらい違う。
ズームをしたわけじゃなく、本当にただスクリーンが大きくなっただけ。
なお、付け足しておくと、それぞれの写真の左上にスコアボード(古いほうではOKCの文字が見える)があるが、リノベーション後のスコアボードにはもともとセンターで使われていたスクリーンがリサイクルされているそう。
いかにこれまでのスクリーンが小さかったかがわかる。
さて、この新しいアリーナの写真を見て、ほかの変化に気づいた人もいるのではないだろうか。
正直なところ、私がかなり驚いたそのリノベーションについて説明していこう。
想定外だったペイコム・センターのリノベーション
アリーナに入ったとき、一番最初に目につくのはやはり大型ビジョンだ。インパクトが大きいし、それを楽しみにしていた。
ところが、ほかにも大きく変わっている部分があった。
バックヤードへ続くトンネル通路の追加
ペイコム・センターにはこれまで、サンダーベンチ裏横、ビジターベンチ裏横、そしてそれぞれの対角線に2つの、合計4つのトンネル通路があった。
今回のリノベーションで、そのトンネル通路がさらに2つ増えている。
もう一度、アリーナ全体の写真を見てみよう。
正面左に見えるビジターベンチ側の通路の横、ゴール裏に大きく空間ができているのが見える。
それがまず1つ目のトンネルだ。
これは、搬入用のトンネルで、大きな機材などの出し入れに使われる。
ちなみに、これだけでも、かなり席数が減っているのがわかると思う。
実はシートの向きも中心に向かうような感じで変更していて、試合が見やすくなっているらしい。
そしてもうひとつが、サンダーのベンチの横に新たに作られた小さめのトンネルだ。
位置は、コート真ん中よりも右、ベンチよりも左、というあたり。
これは、選手用のトンネルとして使われるそうだ。
このトンネルの先にロッカールームがあるので、今までのようにぐるーっと回り道をしなくても良くなるということか。
このトンネルができた理由はまだ不明だが、これまでのサンダー側のトンネルは、コートサイドに座る人たちの行けるラウンジがある場所でもあり、選手とファンが同じ方向に向かうこともあって動線が分けられていなかったのを改善しようとしているのかもしれない。
選手用トンネルが別にできたことによる懸念
搬入用トンネルはともかく、選手用のトンネルがもう1つできたことによる現地観戦に来るファンにとっての懸念の大きなものは、サンダーの選手がどこでファンサービスをするのかという点だろう。
これは、プレシーズン初戦のスパーズ戦でなんとなく様子がわかると思うが、少なくとも、選手用トンネルの両脇にファンが集まるような形にはしないと思っている。というのはその通路の両脇のフェンスが非常に低く、危ないからだ。
これまで通りの通路でやるのか、例えば事前練習の時はそっちから出てきて、試合が始まってからは専用通路を使うのか、この辺は始まってみないとわからない。
座席の配置の変更
1階席の座席数の減少
今回のリノベーションでは、トンネル通路を増やして全体的に配置を変えたついでに、試合が見やすいように1階席の座席をコートセンターに向けるようにして、こちらも席の配置を変更している。
特に、ゴール裏とコートの対角線上にあるセクションがその対象になった。
そのため、座席数はそれなりに減っている。
細かい話はここではしないが、気になる人はチケットマスターでサンダーのシートマップを見てみてほしい。過去にチェックしたことのある人は大きな違いに気がつくと思う。
特に、ベンチ裏や通路脇、ゴール裏の前の方を狙っていた人たちは、これまでとは少し違うことを理解しておいたほうがいい。
コートサイドシートの位置の変更
コートサイドなんて私には関係ない、と思うかもしれない。
1番前の席は1試合1人1500ドル、2列目で750ドルらしいので、それもわかる。
ところが、今回のリノベーションでは、4列目まであるコートサイドシートが以前の普通席の1列目2列目の位置に変更になっているセクションがあるのだ。
コートサイドシートは特別な席で、フロアに降りられる人しか入れないという条件になっているため、エリアを分ける柵が設置されている。当日はおそらくチケットをチェックするアリーナのスタッフがそこに配置されるだろう。
つまり、今まではコートに降りるギリギリの一番前まで行けていたのが、これからはできない可能性が高いということだ。
私が何を言っているのか皆目見当がつかない人もいるかもしれない(アリーナに行ったことがない人には多分そうだと思う)。
ここで一番伝えたいことは、このリノベーションによって、昨シーズンまでのような選手との交流は少し難しくなるかもしれないということ。
そういうことができるエリアが限定的になり、競争率が上がる可能性が高い。
今シーズン、OKCに現地観戦を予定している人は、プレシーズンで少し様子を見て、どこの席を狙うか考えることをお勧めする。
まとめ
10月3日に私が見たのはファンが見れる範囲のみで、実際にはほかにもアップデートがされているはずだが、それは10月9日のサンアントニオ・スパーズ戦に行ってみてのお楽しみになる。
大型スクリーンになってどれだけ盛り上がるのかもこれからだし(個人的には照明なんかもそれに合わせてアップグレードされていることを期待している)、ここまで私が懸念として挙げたことが実際にどうなるかも、プレシーズンに試行錯誤を繰り返して決まっていくだろう。
アリーナで働くスタッフも、ファン同様にスパーズ戦で初めてをたくさん体験し、レギュラーシーズンまでにスムーズに運営できるように調整していくことになる。
実際の試合を通して気づいたことがあったら随時リポートしていくつもりだが、X(旧Twitter)でのリポートが多くなると思うので、現地観戦の情報やアリーナの様子が知りたい人はそちらのフォローをお忘れなく。