オクラホマシティ・サンダーは11月23日(日本時間24日)、ホームのペイコムセンターでデンバー・ナゲッツと今シーズン3度目の対戦をした。試合は、オーバータイムの末、126-131でナゲッツに敗れている。
この試合の欠場選手
- サンダー:チェット・ホルムグレン(ケガで全休)、マイク・ムスカラ(左手小指骨折)、以下はGリーグへアサインでInactive:ウスマン・ジェン、ジェイレン・ウィリアムズ、リンディ・ウォーターズ三世、
- ナゲッツ:ジャマール・マレー、マイケル・ポーターJr.、ジェフ・グリーン、ボーンズ・ハイランド、ペイトン・ワトソン、コリン・ギレスピー
GAME RESULT : OKC 126 – DEN 131 L 7-11(18/82)
STARTING FIVE
Let's get it started!
— OKC THUNDER (@okcthunder) November 24, 2022
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サンダーは過去2試合のナゲッツ戦と同じ布陣。
ただ気になるのは、サンダーのこのスタメンはナゲッツを相手に良い出だしを切れていないこと。
GAME FLOW & STATS
案の定、この日もスロースタートとなったサンダーは、第1クォーターにナゲッツに38得点を許す。マレーとMPJを欠いたナゲッツは、ニコラ・ヨキッチが出だしから飛ばして14得点をあげた。
第2Qにアイザイア・ジョーの3Pが炸裂して19点差を6点差にまで詰めてハーフタイムを63-69で終了。さらに得意の第3Qは、相手を15得点に抑えつつ、サンダーは34得点をあげてナゲッツを引き離した。
サンダーは第4Q出だしにリードを最大15点まで広げたが、そこからナゲッツが猛追を開始。ヨキッチ(4Qで10得点)とアーロン・ゴードン(4Qで17得点)を止められず、試合は120-120で振り出しに戻ってオーバータイムへと突入した。
気持ちを切り替えて臨みたかったオーバータイムだが、サンダーはほとんどショットを決めることができず、ナゲッツの勝利で試合終了となった。
TAKEAWAYS from the GAME
敗戦の理由:ニコラ・ヨキッチ
- ヨキッチを相手に答えが見出せなかった
43分の出場で、39得点(FG11/15、3P1/3、FT16/18)、10リバウンド、9アシストを記録したヨキッチがサンダー戦で証明したことは、どのクォーターでもギアを変えられることだ。
前回の対戦では前半をチームメイトのアシストに徹し、ショットを打たなかったヨキッチだったが、この試合では先陣を切って得点に関与し、チームをリードした。そして自分にディフェンダーの注意が集まれば、チームメイトに鮮やかなパスを出す。
同じセルビア人のアレクセイ・ポクシェフスキーは試合後、ヨキッチの活躍について訊かれるとこう答えている。
「一緒にプレイするのが誰かは関係なく、彼はチームメイトが良いプレイができるようにしてくれるんだ」
試合を見ていても感じることだが、それは数字にも表れている。
マレーやMPJを欠くナゲッツは、ゴードンが31得点、ブラッコ・チャンチャーが19得点、ブルース・ブラウンが17得点(13リバウンド、10アシストのトリプルダブル)、ケンテイビアス・コードウェル・ポープが15得点を記録。特にチャンチャーとブラウンのステップアップが効いた。
「第3Qの終わりに1分49秒くらい休ませたら、(ヨキッチは)あとはずっと出ずっぱりだった。プレイオフで64分間プレイさせたことがあるが、みんな彼がアスレチックだと思っていないようだが、彼は何日でも走り続けられる」—マイケル・マローンHC
ナゲッツはBack to Backの連戦の2戦目で疲れているはずだった。
サイズでナゲッツに劣るサンダーの作戦『デイフェンスとペース』を徹底していれば勝つ可能性はあったかもしれない。
2度のMVPに輝き、今シーズンもMVP候補の筆頭にいるヨキッチを止める策を見出さなければ、サンダーは次の対戦でもナゲッツには勝てそうもない。
マークHCは「経験から学んで成長する」ことを重視
マイク・デイグノートHCは試合後に、サンダーが修正すべき点をいくつか指摘している。
- 48分間戦い抜けなかったこと
- スロースタートなこと
特にスロースタートなことについてはこう述べている。
「我々も指摘はしているし、選手たちもわかってはいることだ。ただ、私は時には選手が自分たちでに乗り越える機会を与えるべきだと思っているんだ。彼らがそこに問題があるとわかっている限り、経験から学んで成長することができる。
コーチングをし過ぎると精神的な影響がある場合がある。選手たちがわかっていることだから、強く言い過ぎて疲弊させたくはないんだ。それをやったら、逆効果になることがあるからね。私の個人的な見解だが」
このマークHCの『個人的な意見』を聞いて改めて思うのは、彼がいかに、選手たちに自ら成長してほしいと願っているかということ。
第4Qに追いつかれ始め、シェイ・ギルジャス・アレクサンダーをコートにいつもより早く戻すべきかの意思決定について訊かれた際の回答にも、マークHCが常に『育成』を念頭に置いていることが表れていた。
「一番は、我々は『チームを成長させなければならない』ということだね。
試合が接戦になった瞬間に即座にシェイに頼る決断をすることは、ほかの選手たちの自信を失わせるきっかけになることがあるし、彼らが自分たちの力でその場を乗り切るチャンスを奪うことにもなる。
最善のチームになるためには、シェイがコートにいようといまいと、最善のチームでなければいけないんだ」
若い選手たちの判断力を強化するために必要以上のコーチングをせずに場数を踏ませる。
それは、再建中の今のサンダーに許される贅沢な時間でもある。
勝ちに行こうと思えばやり方はおそらくほかにもある。選手は当然勝ちたいと思っているだろうし、コーチ陣ももちろん負けようとしているとは思わない。
しかし、マークHCが今シーズン重視しているのは、来シーズンに向けて今だからこそできる育成であり、チームの成長なのは間違いないだろう。
アイザイア・ジョー・ショー再び
「準備万端な彼には感心しているよ。出だしは必ずしも良くなかった。最初のローテーションではショットは決まらなくて、リズムに乗れていないように見えた。その次に出た時は調子が出て、チームにスペースをもたらした。ディフェンスでもしっかり戦っていたと思う」—マークHC
ジョーはこの試合、約21分の出場で、21得点をマーク。10本中7本の3Pを沈めた。
A HOT CUP OF (Isaiah) JOE ☕️ @okcthunder | #ThunderUp pic.twitter.com/OWmKyDAIcw
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おかえり、Poku “The Connector”
1試合だけの欠場でありながら、ポクがいないことが(エンタメ性という意味でなく)チームにとって大きく感じられると誰が想像しただろうか。
「彼はスロースタートだったが、それはチーム全体がそうだった。2回目のローテーションで調子が良くなったと思う。トランジッションで良いエナジーをもたらしてくれたし、リバウンドも良かった。これは彼のベストゲームではなかったが、彼が試合に出ていない時にはその不在を確実に感じるし、戻ってきたことも実感したね」—マークHC
ポクは約29分の出場で、13得点(FG5/8、3P2/4、FT1/2)、3アシスト、3ブロック、1スティールを記録。毎試合、ポクのブロックを見ない日はない。
そしてこのプレイでは、ボールが相手の手に収まる前にポクがジョーに向かってティップしている。
ポクは攻守にわたり必要不可欠な存在になりつつある。
BIG JOE 3 in OT! pic.twitter.com/vNmKwGOGbQ
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シェイのアンクルブレイク
シェイはすごいと言うのが当たり前になっている。
この試合でも31得点、11アシスト、7リバウンド、2スティール、1ブロックを記録した。
なかでも圧巻だったアンクルブレイクは、自分のためにもここに貼っておきたい。
🤐🤐🤐 pic.twitter.com/129UtXrOZy
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NEXT GAME: 11月25日 第19戦はホームでブルズ戦
サンダーの第21戦は、11月25日金曜日午後7時から(日本時間26日土曜日午前10時から)、ホームのペイコムセンターでニシカゴ・ブルズと行われる。