それは2014-15シーズンのこと
2014年の春に日本からOKCに移住してきた私は、それまではたまに行っていたチェサピークアリーナに頻繁に通い始めた。
サンダーファンになったきっかけが、『チェサピークアリーナに連れて行ってもらって、あのアリーナの雰囲気とチームとファンの一体感に鳥肌が立ったから』だった私は、その頃も今と変わらず、『サンダーが大好きだから、チームにいる人はみんな大好き!』な、サンダーというチームのファン。
純粋にサンダーが好きな私にとって、時々話題になる『ケビン・デュラント(KD)とラスのどっちが好きか』という議論には、『どちらかを選べなんてそんなの無理!』というスタンスだった。
当時のサンダーにはどちらもなくてはならない存在で、どちらも当たり前のように好きだったから…(そんな頃もあったよね)。
敢えて誰かを選べと言われたら、私は当時ルーキーで、飄々としていたアダムズを推していた(今ももちろん推している)。
そんな、特別ラスのファンとういうわけではなかった私が、【ラスとの想い出】なんてタイトルまで付けて、彼との数々の想い出を振り返ることになろうとは…。
あの日あの時あの場所でラスに会えなかったら、おそらくこのシリーズは存在しないと思う。
『あの日あの時あの場所』の重要性
ラス以外にも、選手と交流したことはある。
例えば、2014-15シーズンの開幕前にはサージ・イバカのサイン会イベントにも行ったし、シーズンホーム開幕戦ではなんといきなりKDと交流するチャンスに恵まれたりした。
私が、アリーナ内で選手の出待ちをしてサインをもらったり写真を撮ったりできることを知ったのは移住した後だったので、こんなこともできるのか!とワクワクしたことを覚えている。
さらにアリーナ以外でも選手たちと会えるイベントが意外とあることがわかって、現地在住ってなんて素晴らしいんだろう!って、素直にそう思っていた。
イバカとKDは、その後も時々事前練習に出てきていて、サインをもらう時にほんの少しだけ言葉を交わすこともできたし、他にも毎回のようにアリーナに行けば会える選手はたくさんいた。
でもそれは、選手にとっては日々繰り返されるファンサービスの一環に過ぎない。
例えば、KDとの開幕戦でのことを私は今もはっきりと覚えているけど、KDは全く記憶にないように、特定のファンのことが彼らの記憶に残ることはそうそうあるものじゃないと思う。
ところが。
ラスとの出会いは、ちょっと状況が違っていた。
初めてのコンタクトで、私はラスとツーショット写真を撮り、握手をして、会話をして、それ以降、顔を覚えてもらえるようになったのだから。
なぜそんなことが可能だったのか。
それはすべてタイミングとしか言えない。
私がラスに会った2014年11月15日の、その日のその時までにすでに色々なことが起きていたのだ。
まさに『あの日あの時あの場所』に私が巻き込まれていたことが、すべての始まりだった。
この時何が起きていたかは、当時からのツイッター仲間やサンダーファンや、昔からこのブログを見てくれている人は、もうご存知のとおり。
ラスの大ファンのYukikoさんとらまださんが、ラスの誕生日(11月12日)に合わせて彼を追っかけるラッセルツアーを組んだことから始まった、奇跡の連続。
そのツアーのことは記憶が新しいうちに、そんな情報いらない!ってくらい事細かな描写で、シリーズ全6回にわたってブログに書いてある。
まだ読んでいない人はこの機会に読んでおいてほしい。
そして既に知っている人は、もう一度読んで、あの時のことを思い出しておいてほしい。
そこがすべての始まりだったから。
全部読むのがめんどくさい人は、Part1の『その背景とボストンの軌跡』とPart3『ピストンズ戦』、Part5『ラッセルとの再会』、Part6『ロケッツ戦』の4つを読めば大丈夫。
肝心なのはPart1とPart5なのだけど、Part3とPart6にはラスのリアクションも描かれているので、そこは読んでおいてもらったほうがこれからの話が見えやすいと思う。
少しの勇気が引き起こす嬉しい出来事の数々
こうして、あの日あの時あの場所でラスに会い、ある程度のインパクトを残したことによって、そこから毎シーズン何かが起きるようになるのだけれど、今思うといつもダメ元で勇気を出してみることから始まっている気がする。
私の最初の出会いの時は、それまでにYukikoさんとらまださんが起こしたその軌跡に、私も巻き込まれつつ、勇気を出して話しかけた。
そしてそれ以降、私はできる限り勇気を出して動くようになった。
それで恥ずかしい思いをしたことも数知れない。
でもそれを上回るくらいの、嬉しい出来事も起きている。
思い切って勇気を出して動くことで、思いがけないことが起きることがある。
そしてもう一度、勇気を出して動いてみると、次の奇跡がやってきたりする。
大きなことでも小さなことでも、行動に移さなければ、何も始まらない。
あの日あの時あの場所でラスと会うことになったこと。
それは、私の記憶に今もはっきりと残る、とても貴重で、大事な、大事な想い出になった。
そしてここから増えていった、たくさんのラスとの想い出を、引き続き書いていこうと思う。