
1月2日(日本時間3日)、オクラホマシティ・サンダーのジェイリン・ウィリアムズ(J-Will)がサンダーの地域貢献活動の一環である「Shopping Spree」(買い物ざんまい)に参加。YMCA of Greater Oklahoma City Clubhouseを通じて選ばれた地元の6人家族のヘレラさん一家(Herrera family)のホームランドでの買い物を手伝った。
「家族と一緒に歩き回っているだけでも最高だったよ」と、J-Willはイベントを振り返る。
ヘレラさん一家は、ホームランドの通路をひとつずつまわり、思い思いに必要な物や欲しい物を手に取り、その後ろを、J-Willがカートを押しながら付いて歩いていく。
高いところにある物や重い物は、彼が率先して手を伸ばしてカートに乗せる。アメリカのショッピングカートは大きいが、そのカートには品物がきれいに積み込まれていた。
「カートにどうやって物を積むか、考えながら手伝ってたんだ」と、J-Willは言う。
「自分でもいつも考えながらやっているし、子どもの頃からやってきたことで、けっこう楽しいんだよ。子どもの頃、父親と買い物するとカートを整理するのが僕の役目だったから」
決して裕福な家庭で育ったわけではないJ-Willは、「フードスタンプのような食料を確保する手段を使っていた家庭で育った自分が、こうやって支援できるのは最高だよ」と話す。
「今、支援できる側にいて、彼らが嬉しそうに笑顔でカートにいろんな物を入れたり、子供たちがキャンディーやチップスをこっそり紛れ込ませたりするのを見れて最高の気分だったね」
NBA選手となった今、J-Willはお菓子を買うこともかなり控えて健康的な食事を心がけていると笑ったが、買い物中には子供たちにおすすめのお菓子を教えたかったという。
「ご両親がどう思うか気になったから控えたんだけど、子供たちがチートスを手にしたときは心の中で『それはナイスチョイス!』って思ってたよ」
「もしも自分が子どもの頃にこういう経験ができてたら、チップスとかありとあらゆる物をカートに入れたと思う」
あのいつもの満面の笑顔で彼はそう話した。
「たくさんの祝福を受けた」ヘレラさん一家
ヘレラさん一家の父親のホゼさんが「たくさんの祝福を受けて新年を迎えられました」と話すとおり、彼らにとって、このイベントに参加できたことの意味はとても大きい。
彼らは、支援が必要な家族の中から、YMCA of Greater Oklahoma City Clubhouseを通じて選ばれている。
地元チームのサンダーの支援を受けながら、サンダーの選手と買い物ができるチャンスがあることは、ファン目線で考えると一見羨ましく思うかもしれない。
しかし、実際には、彼らのように支援の必要な家庭にとって、その状況は想像するよりももっと深刻なのだ。
ヘレラさん一家はこの日、J-Willに手伝ってもらいながら500ドル分の食料品や日用品をカートに積み込み、さらに、今後の食料品購入用に500ドル分のホームランドのギフトカードを受け取った。
「(この買い物ざんまいのイベントは)僕にとって初めての経験だけど、正直言って最高だね」とJ-Willは言う。
「また是非やりたいね。こういう機会を提供できて、地元家族が喜んだり興奮したりするのを見るのは素晴らしいことだと思う。こういう経験をしたらきっと忘れないだろうからね」
サンダーの地域貢献活動は「お返しができる大事な機会」
サンダーは、今シーズンになってやっと本格的に地域貢献活動を復活させた。
新型コロナウイルスのパンデミックが起きる前までは、支援が必要な地元家族や子供たちに貢献するイベントを毎シーズン200件以上も実施してきた。
今チームに所属するほとんどの選手たちが、地域貢献活動に参加する機会がないまま2シーズンを過ごした一方で、今シーズンからサンダーの一員になったJ-Willは、ルーキー時代から地元住民との交流を最初から楽しんでいる。
「地元の人たちみんなが、僕らに惜しみない愛情を示してくれるんだ。たとえば僕がウォールマートで買い物をしてても、誰かが前日の試合について話しかけてくれたりする。とにかく愛を感じるんだ。だから、彼らに何かお返しができる機会があるのは大事なことだと思うよ」
❝I want to do it again. It's great sharing this opportunity with them and seeing the joy and excitement it brings to them.❞
— OKC THUNDER (@okcthunder) January 10, 2023
The Thunder and @HomelandStores delivered a shopping spree to the Herrera Family with assistance from Jaylin Williams. pic.twitter.com/ESvpvNBIYJ
【取材後記】
昨年の12月に、初めてシェイのイベント(サンダーの地域貢献活動とは別)の取材に出かけた際にも、「地元ファンが示してくれる愛情にお返しができる機会だ」とシェイが話していたのを思い出す。
コートの外で見せる姿は、リラックスしていてまた違ったものになることも多いだろう。
今後は、サンダーの選手たちのコートの外での様子も積極的に取材し、発信していきたいと思っている。