日本からOKCへ、サンダーガールのKeiが辿った思いもよらない旅路
合格を喜ぶKeiとJennie
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OKCからこんにちは。
YOKOです。

今日は、地元新聞社、The Oklahomanのサンダーの番記者であるMaddie Leeが書いた、我らが日本の誇り、サンダーの誇り、サンダーガールのKeiの記事を紹介します!

記事が出たよとKeiから連絡をもらって記事を読み、去年のオーディションのことに触れてる辺りでは思わず当時のことが蘇り、ウルウルしてしまいました。

そして、これは日本語に訳して日本のファンともシェアだ!と意気込んで、かなり勢いつけて訳しました。

できるだけ原文に忠実に、同時にできるだけ読みやすくなるように頑張りましたが、ちょっと見逃してほしい点もあるかも。そこはいつもの通り、ご了承くださいませ!

和訳の最後に、私が書いたKeiの記事(過去2回のオーディションの記録とか)を貼っておきます。まさに私がウルウルしたシーンの描写が入ってたり、写真も入れているので、良かったらそっちも読んでみてくださいね。

 

日本からOKCへ、サンダーガールのKeiが二度も辿った思いもよらない旅路

Thunder Girl Kei took an unlikely journey from Japan to OKC … twice by Maddie Lee
September 15, 2019

 

その質問にKeiは戸惑った。

「なんでダンスをやめたの?」小学生に聞かれた。「そんなに夢中になれることなんだったらどうして?」

Keiは母国の日本で子供達と会っていた。どうやってサンダーガールになって、2年間NBAで踊るという夢の舞台でどんな風に過ごしていたか、話したばかりだった。

彼女は数年前に引退して日本に戻っていた。そこで、JFAこころのプロジェクトに夢先生として参加し、小学生たちに自分の夢を持つことの大切さを教えるレクチャーをしていた。

子供達は続けて言った。「またコートで踊っているところが見たい。」

『無理だよ…。』Keiは思った。

Keiは30代半ばになるところで、この3年パフォーマンスから遠ざかっていたのだ。でも子供達の期待を寄せた顔を見て、『できない』とは言えなかった。

代わりにKeiは、小学生達に条件を出した。もしも自分がサンダーガールに復帰したら、彼らも夢に向かって同じ努力をしなくてはいけない、と。子供達は同意した。

それがきっかけとなり、二度目のサンダーガールになってオクラホマシティに戻るという計画は実行に移された。<【訳者補足】最初のOKCへの旅も既に起こりそうもないことなのに、二度目のサンダーガールになるというのは、もっと起こりそうもないことなので>まるで、彼女の最初のOKCへの旅が、思いもよらないこととして十分でなかったかのように。今年、35歳のKeiは、サンダーガールとして4期目を迎える。(チームの方針により、安全面を考慮してサンダーはサンダーガールの名字を公表しない。)

ーーー

KeiのOKCへの旅は、7年前、サンダーファンに初めて出会った時に始まった。

サンディエゴからの電車に一人で乗っていた時、アムトラックの車掌がどこに行くのか聞いてきた。彼女はロサンジェルスのステイプルセンターに向かっていたのだが、駅からどっちの方向に行けばいいのかわからなかった。

車掌がその場を立ち去って再び戻って来た時には、同じくステイプルセンターに向かっているグループを一緒に連れて来てくれた。彼らは皆、OKCサンダーのジャージを身に付けていた。

「感動しました。」Keiはそう話す。「英語もあまり話せなくてよく理解できない、他の国から来た、たまたまそこにいた私に、彼らはとてもフレンドリーに、友達や家族の一員のように接してくれたんです。」

それだけで、サンダーガールのオーディションを受けようと心が動いた。

ステイプルセンター行きの、Keiの運命的ともいえる電車の旅は、ほぼ10年前、観光とNBAのダンスチームの視察を目的にアメリカ国内をあちこち回っていた時の一部だった。オーディションのためにフルタイムの仕事を辞めたことは両親に伝えていなかった。どこのチームにも受からなかった時のことを考えて、彼らに期待を持たせたくなかったのだ。

結果的には、そんなことを気にする必要はなかった。

 

「彼女のエネルギーは心に響くんです。」サンダーガールのマネジャー、ペイジ・カーターは言う。「彼女は人に会うのが好きで、街を探索するのが好きで、サンダーガールとしてKeiがすごく成功している理由は、最初からオクラホマシティを心から受け入れているからだと思うんです。」

さらに、カーターはKeiの仕事に対する姿勢も最初から理解していた。

Keiがサンダーガールのオーディションを受けたのは願ってもないタイミングだった。その年のサンダーガールの海外遠征の行先が偶然にも日本で、Keiは既にそこにいる予定だったのだ。オーディションに合格して数週間後、Keiは労働ビザ取得のために日本に帰らなければいけなかったから。

ルーキーである彼女はそれから2ヶ月の間、他のダンサー(海外遠征には最高6人が選ばれる)が日本でKeiに合流するまで、一人で練習を重ねた。経験のあるサンダーガール達は新しいチームメイトに何が期待できるのか確信が持てずにいたとカーターは言う。予定されているアピアランスでのパフォーマンスに、一体Keiはついてこれるのだろうか?

その答えは疑いもなく、YESだった。

「あのことはきっとずっと忘れないと思います。自分の母国である日本で、友達や家族の前でダンスができるなんて思いもよらなかったので。」そうKeiは言う。

パフォーマンスの後で会った時、彼女の家族は泣いていた。彼らもまたこんなことが起きるとは思ってもみなかったのだ。

ーーー

子供達に向けて話している時でなくても、KeiはそもそもなぜOKCを去ることにしたのか、今でも説明に困る。

「チームを去るのはすごくつらかったです。」彼女は話す。「でもダンサーやアスリートとして、この仕事はずっと続けられるものじゃないので、どこかの時点で引退を決断する必要があるとわかっていました。だから、2シーズンを終えた時、今が引退するのにはベストな時期で、別のキャリアを積んでいこうと思ったんです。」

彼女は日本スポーツ仲裁機構事務局で事務局長補佐として働きながら、教えるという立場でダンスに関わり続けた。日本に戻っていた4年の間、Keiは、ホストファミリーや以前のチームメイトであるジェニーを含む、オクラホマでの繋がりも維持していた。

 

2018年の6月の時点で、Keiの2期目にサンダーガールになったジェニーは、引退について真剣に考えていた。

「5年目を終えて、もう1シーズン戻るためのサインをなんとなく待っていたんです。」ジェニーは言う。「また1年やらないって言う理由もなかったけれど、でも同時に、どこかの時点で自分の人生を、自分のキャリアを新しくスタートさせる必要があることもわかっているので。」

彼女は決断を下すのは7月1日と期限を決めた。そして6月30日、Keiから電話があった。

小学生の子供達の要望を受けて、Keiは厳しいワークアウトの日々をスタートさせていた。日本代表男子バスケットボールチームの試合でパフォーマンスをするチアリーダーチームに参加することになり、チームのキャプテンにも選ばれた。

Keiは、ジェニーが戻るなら自分も戻ると約束した。

「彼女が、継続を決めるサインのようなものでした。」ジェニーは言う。

でも二人は共に、それからオーディションに合格しなければならなかった。

ーーー

オーディションのフォーマットは、Keiが6年前に最初に受けた時と同じだった。ファイナルラウンドと合格発表は、観衆の前でライブで行われた。Keiのホストファミリーは会場に座って「頑張って」と応援していた。他のKeiの日本人サポーターと共に。

「(合格するのに)問題ないと思っていました。」Keiのホストファザーのジェイムス・マクドナルドは言う。「僕の妻(弥生)もそう思ってました。Keiは有能で仕事ができるから。」

彼は、彼女がどんなにチームメイトやサンダーファンに共感を示して繋がることが得意かを熱く語ってくれた。

カーターも言う。「初めての(オーディションの)時も準備はできていたけど、プロセスがどんな感じか以前より正確にわかっていたから、彼女は準備万端でした。」

Keiもそう思っていた。それでも合格するのに十分な準備できていたのか、自信がなかった。

Keiが、自分の番号が呼ばれるのを舞台裏で待っている間、ジェニーは、自分の周りが新しいチームメイトで埋まっていくステージに立ち、心配そうにしていた。

残りの枠があと数人となった時、会場にKeiの番号が響き渡った。ジェニーはサンダーガールの列から飛び出し、Keiを両手で思い切り抱きしめた。

「涙でいっぱいでした。」ジェニーは言う。「いやもう、すごくワクワクしました。また一緒にやれるなんて、彼女がここに残るなんて、信じられませんでした。友達がまた戻ってきたことに、とにかく興奮しました。」

 

結局のところ、こころのプロジェクトの子供達は、Keiが知らなかったことを知っていたことになる。彼らの夢先生がNBAのダンサーになることが“できる”ということだけではない。彼女はそれを“実現した”のだ。

 

Keiに関する過去記事紹介

Keiのここまでの道のりは、日本でも様々なメディアに取り上げられているし、私も時々ブログで書いているので知っている人も多いと思います。

こうして地元の新聞の記事になってここまでをまとめて読むと、やっぱりすごいことだなあと改めて思うわけです。

そして前置きで言ったように、ジェニーと抱き合うシーンの描写で、あのシーンを思い出して、訳しながらも読み返しながらも、やっぱり何度もウルウルしてしまう私です。

このオフの、彼女の4回目のオーディションは非公開だったので、ブログで詳細を書くことはできません。

でも、昨シーズンのKeiのパフォーマンスの振り返りや(←ビデオいっぱい録ってるので)、今年の合格発表の時の様子などは別途まとめたいと思っています。

いつやるのって?そこはまあ、気長に待っててくださいよ。

取り急ぎ、過去に書いたKeiの記事を貼っておきますね。

 

 

 

 

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