オフの決断③ 〜KDの決断からラスの決断へ〜
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OKCからこんばんは。
YOKOです。

このオフの一大事について書き始めて、少しずつ、自分の中でもやもやとしていたものが整理されていく気がしています。

気がするだけで、まだ回復しきれていない可能性は高いけれど、いつかこのオフのことを笑って振り返られる日が来ると信じて、続けようと思います。

ここまでの『オフの決断』シリーズ

 

前回紹介したRoyce Youngの記事を読んで、KDが決断に至るまでの様子が、様々な角度から伝わったかと思います。

特に、サンダーがどう動いていたか、現地サンダーファンがどう考えていたか、そしてあの決断によってオクラホマが受けたダメージがどれほどのものだったか。

出て行くはずがないと思っていたKDが出て行ったことは、サンダーにとっても相当辛い結果だったと思います。これまでの全ての積み重ねが、目の前で崩れていったのですから。

そしてサンダーの次の動きは、ラスを中心にチームを組み立て直すことに向かいます。そのために重要なことは、ラスに長期的コミットメントを約束してもらうことでした。

 

今回は、あの決断から3週間後に書かれた、Royce Youngの記事を一部引用しながら、あの微妙な時期からラスの決断までのことを振り返りたいと思います。

全てにおいてデュラントが戻ってくると信じられる状況だったからこそ、サンダーはシーズンをデュラント中心に組み立ててきた。

デュラントはシーズンを通して適切なことを言い、街とフランチャイズを創り上げることに一役買えてどれほど誇りに思っているか話してきた。戻ってくると人々に断言していた。

ハンプトンズに飛び立つ前の週には、彼はニコルズヒルというオクラホマシティの郊外にあるエリアで、数億円の家を物色していたほどだ。

サンダーが、『自分が始めたことを終わらせるためにデュラントは残る』と信じるに足る、ありとあらゆる理由がそこにはあった。

サンダーは、2人のスターをサポートするロスターを精巧に作り上げてきた。それが今では、手元に何も残らず、まるでフランチャイズが機関車に突っ込まれたような状況からの回復を余儀なくされている。

サンダーは、KDを残すために全てを尽くしてきた。移籍がどういうことを意味するのか、KDはわかっていたはずだ。チームには何も残らない。残らないどころか大きなダメージを与える。サンダーは一気に優勝候補チームから外れることになる。

地元のファンが絶望的に感じることも、子供達がショックを受けることも、KDはわかっていたはずだ。それでも彼は移籍すると決めた。

KDには何の落ち度もない。どこに行こうと、それはKDの当然の権利だ。そんなことは、私も十分わかっている。

ただ、最後の最後で、これまでのKDとは違う一面を見せられた感じがするのも否めない。チームに砂をかけて出て行ったような気がするし、発表の仕方ひとつとっても、ホームと呼んできたOKCや地元ファンへの愛情がいまひとつ感じられなかった。

そして何より、チームメイトにも直接知らせなかったこと、ラスにすら直接連絡しなかったことが、KDらしくない気がする。ただここでRoyceの言葉を借りて『KDが変わった』と考えれば、らしいもらしくないもない。それが今のKDなのだから。

 

KDに去られたサンダーが、その後ラスに焦点を移すのは当然の流れで、直後からサンダーとラスは頻繁に連絡を取り合っていると噂されていた。

KDを中心にチームを組むことに失敗したからといって、サンダーが解体に向かうつもりはなく、ラスさえ残ってくれればまだまだ可能性はあると考えていた。

ただし、KD離脱があまりに大きな痛手だっただけに、ラスには現段階で長期的なコミットメントを求めようとしていた。KDのように、ラスまでただで出て行かれては困る。だからなんとしても、ラスにコミットしてもらわなくてはならない。

でもラスがコミットしなかったら、サンダーは強行トレードに出る。

そんな話があちこちに出始めて、ラスがサンダーに残るはずがないとか、今コミットするわけがないとか、トレードでしょとか、色々な人が色々なことを言い始めた。

私も正直、気が気ではなかった。

ラスは一体どうするのか。誰もがその動向に注目していた。

ウェストブルックは、(7月4日)以来沈黙を保っている。インタビューの依頼は断り、彼の将来やチームについての話題は、ツイートでも、スナップチャットでも、インスタグラムでも触れていない。

数週間前に行われたラッセルのユースキャンプでの会話で、来シーズンも戻ると参加者に伝えているが、ほとんどが伝聞にすぎない。

ウェストブルックのトレードの可能性がリーグで次第に疑われくるにつれ、ウェストブルックの沈黙の意味は、サンダーへの長期的コミットメントを躊躇し、新たなチャプターに移る準備ができているのだと受け取るものも出始めた。

 

そしてそんな中、案の定、KDの移籍の理由のひとつとして、ラスの名前が挙がってきた。

最強デュオとして謳われる一方で、裏にはぴったりと不仲説を唱える者も多かった2人の分裂に、ここぞとばかり皆が飛びついた。そうなることも、KDはわかっていたはずだ。

ウェストブルックが時間をかけているのは、自分の次の一歩を考えるためだけではなく、自分自身の傷を癒すためでもある。

つい最近、ラスベガスでデュラント自身が否定はしているものの、ウェストブルックのプレイスタイルがデュラントがサンダーを去ることになったことに影響しているとされる記事が出ているせいだ。

2人はデュラントの決断以後、会話をしていない。

ウェストブルックに近い人の話では、ウェストブルックはデュラントの決断自体にも、デュラントがその決断を直接彼に電話して伝えてこなかったことにも怒り、そして傷ついているという。

ウェストブルックは、今のこの状況に対する準備ができていなかった。
ー 3週間前の時点では、誰もが思っていたように、ウェストブルックもデュラントが戻ってくると思っていのだから。

そして、実は戻らないということを最も辛い方法で知らされなければならなかったのだ。

ラスは、KDの決断そのものとその後の対応で傷ついただけでなく、KDの決断によって想定よりも1年早く大事な決断を下さなくてはいけなくなった。

そしてさらに、KDの決断がフランチャイズにどれだけの影響を与えたか、ファンにどれだけのダメージを与えたか、その目で見て、その状況を理解した上で、彼は決断をしなければならなくなった。

 

ファンとしては、せめてラスが残ってくれたら…という気持ちだった。でも期待はしちゃいけないという気持ちもあった。出て行く前提でいれば、多少ショックも和らぐだろうと思っていた。もうこれ以上傷つきたくなかった。

あの衝撃の後に、ラスまで失ったら、立ち直れる気がしなかった。

オクラホマには誰も残らないんだよ…
残るわけないじゃん、だって、オクラホマだよ…
それを改めて突き付けられたらどうしていいかわからない…

 

そんな中、サンダーも動いた。

ウェイターズのクオリファイングオファーを破棄したのだ。それは、ラスとの延長契約を進めるためだろうと言われていた。その後、ウェイターズがマイアミ・ヒートとの条件に同意したことにより、サンダーは正式に、ラスに契約延長を提示できるようになった。

そこからコトはさらに動いた。

わずかな、ほんのわずかな期待と、押しつぶされそうな不安の中、ラスが契約を延長するという嬉しいニュースが飛び込んできた。最初はまだ疑っていたけれど、それが本当だとわかった時には、嬉しくて嬉しくて叫んだ。と同時に、涙が溢れた。

暗雲立ち込め、光も見えない真っ暗闇に、一筋の光が差し込んで、空がみるみる明るくなっていくような気がした。

この復活の日、オクラホマの人々は、喜びと興奮、そして安堵の気持ちに包まれたことだろう。

ラスがサンダーと延長契約を結んだ2016年8月4日は、OKCでは ”Russell Westbrook Day” と宣言された。

ラスが、私たちを救ってくれたと言っても過言ではない。サンダーを、そしてオクラホマを、ラスが救ってくれた。

そこにはもうひとつ、嬉しい誤算がある。

あのラスが、オクラホマシティに残ってくれたのだ。KDよりもオクラホマに思い入れはないと見られていたラスが。LA出身のラスが、この小さなオクラホマシティに残ってくれた!

 

2016年8月4日。

この日のことを私は絶対忘れない。

あの日とは違う涙を流したこの日を。

ありがとうを伝えるため、チェサピークアリーナまでラスに会いに行ったこの日を。

汗が吹き出て化粧が取れて大変なことになるくらいの暑さの中、同じ想いであの戴冠式の場にいた大勢のサンダーファンと共に、ラスが来るのを待ち続けたこの日を。

ラスが私たちを救ってくれた、この日を。

 

参考記事:Kevin Durant’s defection forcing Westbrook to decide OKC future now by Royce Young

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