
あれから毎日PCに向かっている。
そしていつものようにタイプする。
OKCからこんばんは。
YOKOです。
その後の言葉が続かない。
違う、そうじゃない。
続かないんじゃなくて、違和感がある。
いつものように、ですます調で、近況に触れる。
違う、やっぱり違う。
何を書いてもしっくり来ない。
取り繕ったような自分の言葉に気持ち悪さを覚える。
言いたいことはこんなことじゃない。
そもそも、ですます調じゃない。
deleteボタンを押して、そしてまた最初に戻る。
そして今日もまた、こうしてPCに向かっている。
このまま書き続けるのかもわからない。
何度も削除して、書き直すのかもしれない。
公開ボタンを押すのが今日なのか明日なのか。
そもそも『今日』がいつなのか。
今日こそ、言葉にしよう。
そう思いながら、『今日』は何度も『昨日』になった。
この出だしも、本文の一部も、7月の半ばに書いたものだ。
結局『今日』は『昨日』になりまくり、もうあれから約2ヶ月が経った。
今日こそ、公開ボタンを押そうと思う。
ひとつの区切りをつけようと思う。
ポール・ジョージがいなくなった
7月6日のあの日、朝目覚めるまで私はそのニュースを知らなかった。
夜は通知を切っている。
サンダーに大きな動きはないと思っていたから。
朝起きて、通知の多さに驚いた。
そして、飛び込んできたニュースに自分の目を疑った。
Oklahoma City is trading All-Star Paul George to the Los Angeles Clippers for a record-setting collection of draft choices, league sources tell ESPN.
— Adrian Wojnarowski (@wojespn) July 6, 2019
そこにOklahoma Cityという文字があることも、Paul Geogeという名前があることも、tradingという単語が入っていることも、とにかく全てが、「???」でしかなかった。
一体何が起きたのか、まだ完全に機能していない寝起きの脳みそフル回転で理解しようと頑張っても、よくわからなかった。
前日も、カワイ・レナードがなかなか行き先を決めないことに、ラプターズやレイカーズのファンがやきもきしている様子を、他人事のように眺めていた。
だって、他人事だったから。
今年のオフは、他のチームがどんどん補強をするのを『いいなあ』と思いながら指をくわえて見ているしかなかった代わりに、変わり映えはしないけどコアメンバーが揃ったサンダーのロスターに、珍しく安心を覚えながら心穏やかに過ごす、そんな夏になるはずだった。
レナードが決断を先延ばしにしているその裏で、ポール・ジョージに声をかけていたなんて、誘われたポール・ジョージがプレスティにトレードを要求していたなんて、突然のトレード要求を受けてプレスティが必死に動いていたなんて、思いもよらないまさかの事態。
対岸の火事どころじゃない。川挟んでるからこっちは安心なんて、余裕かましてる場合じゃなかった。
ポール・ジョージを誘う前に、レナードが実は、KDやカイリー・アービングやジミー・バトラーにも声をかけたけど、誰もYESと言わなかったから、FAじゃないけどポール・ジョージを誘ったってどこかの記事で読んで、『ちょっと待ってよ、何よ、それ』と思った。
火の粉飛ばしてこないでよ、と。
After Leonard pushed George to find a way to get to the Clippers, Paul George approached the team and requested a trade, league sources tell ESPN. OKC was left with no choice and made the best out of a difficult situation, per sources.
— Adrian Wojnarowski (@wojespn) July 6, 2019
誘われて心揺さぶられたポール・ジョージに対しては、『いずれホームのLAに行くのはわかってた。わかってたけど、今行くかあ、今かあ、よりによって今このタイミングでかあ。そんでラスを置いて行くのかぁ』って思った。
ポール・ジョージはいずれいなくなる。
それはサンダーファンにはわかっていたこと。
去年の夏、”I’m here to stay!” と言ってくれた時は心の底から嬉しかったけど、個人的にはどこか心ここにあらずなのは感じてた。
だから、彼がいなくなること自体に、正直それほどのショックはなかった。
何より私の頭から離れなかったのは、彼がトレードを要求したことによって、ラスが、そしてオクラホマが、あれこれ言われることの方。
ラスとは誰もプレイしたがらないだの、オクラホマでプレイしたい選手なんていないだのと、ここぞとばかりに掻き立てる人たちが現れること。
そういうナラティブの再熱のきっかけを、このタイミングでポール・ジョージが作ったことがとても悲しかった。
そして、ポール・ジョージを手放したサンダーが(プレスティが)これからどう動くのか。
それが心配でならなかった。
ジェラミもいなくなった…
その時ちょうど、私はYukikoさんと話していた。
ポール・ジョージ放出で、ラスの動向がにわかに注目され始め、「出たい」と言ってるとか、「アダムスと一緒に出してほしい」と言ってるとか、色んな噂が飛び交うようになって、気が気でならなかった。
それでも「やっぱり俺は残る」と言ってくれるんじゃないか。
でもラスのキャリアとしてそれでいいのか。
これを機にサンダーも軌道修正しちゃうんじゃないか。
ポール・ジョージのトレードから、まだ2日。
あまりに状況が不透明で、先行き不安で、何をどう受け止めてどう解釈すればいいのかわからず、電話でYukikoさんと不安を語りまくっていた、7月8日の朝。
Twitterをチェックせずにしばらく話し、ふと通知を確認したその時。
Oklahoma City Is trading F Jerami Grant to Denver for a 2020 first-round pick, league sources tell ESPN. Deal brings OKC it’s sixth future first in past week and saves Thunder $39M in salary and luxury tax.
— Adrian Wojnarowski (@wojespn) July 8, 2019
「ジェラミが、トレードされたって…!」
思わず口に出た。
「え…!そんなのやだ!ジェラミはやだ!」
Yukikoさんは涙声だった。
オフの動きが静かだった頃、トレードの噂で名前がよく挙がるのは、アダムスやシュルーダー、アンドレで、アダムス一推しでアンドレ好きの私は心穏やかではなかった。
そこに、成長著しいジェラミの名前が挙がることもあったけど、その成長と伸び代と、意外とチームのグルー的な存在になっていることを踏まえて、ジェラミは出さないでしょと勝手に思っていた。
今思えば、そのくらい価値がある選手だからこそ、トレードされる可能性はあったんだけど。
想定外のジェラミトレードのダメージは、思った以上に大きかった。
ジェラミはサンダーの生え抜きじゃないけど、トレードされてきた選手の中でも特に思い入れがある選手になっていた。
サンダーに来てからの成長ぶりには目を見張るものがあって、どこかでうちが育てたと思っていて。
OKCの街でバッタリ会ったことのある数少ない選手で、アリーナでも会えれば優しくて、外で見せるとびっきりの笑顔に何度やられたことか…!
次第にどんどん大好きになっていった。
彼はこれからますます伸びていくと思うし、その成長を見るのを誰よりも楽しみにしていたから、サンダーにずっといてほしいとも思ってた。
ずっといてほしいというファンの想いは、チームの動向に関係ないことはわかってる。
でももし選手も残りたいと思っているとしたら、なんとか残してほしいと思うじゃない?
チームもその選手のバリューを認めていて、選手も残りたいなら、相思相愛なんだからファンとしては残してほしいじゃない?
ジェラミは多分、サンダーに残りたいと思っていてくれたと思う。
きっと青天の霹靂だったと思う。
彼が、トレードされてから未だにお別れのメッセージを出していないのも、ナゲッツでの記者会見でちょっと浮かない顔をしてたのも、どこかで納得できてなかったんじゃないかと思っている。
ポール・ジョージがいなくなって、方向転換を余儀なくされたサンダーとしては、ジェラミのためにもトレードがベストだと思ったのはわかる。
優勝候補の一角と言われるナゲッツに行ったのも、ジェラミにとっては良かったとは思う。
でも、ポール・ジョージの要望に応えて彼を同じウェスタンカンファレンスのクリッパーズに送り、クリッパーズはレナードも獲得して一気に優勝候補の仲間入りをしたこと、そしてジェラミを同じディビジョンの、既に優勝に近づいていたナゲッツに送ったことから言えるのは、サンダーはもう勝ちに行こうとしていないということ。
それは同時に、ラスを残して、ラスを中心に、また勝てるチームを作るという筋書きを、プレスティはもう考えていないというメッセージな気がした。
ラスも、やっぱりいなくなるのかな…。
そんな想いがよぎる中、その日の夕方のWojのツイートを見て泣いた。
.....😭😭😭 https://t.co/lcHx1joqu4
— YOKO@thunderousvibes.com (@yoko_okc) July 8, 2019
ラスが、トレードに前向きだと言う。
サンダーが、ここまで築き上げてきたものが、崩れていくのを感じていた。
とうとう、ラスも、いなくなった…
その週の半ばから翌週にかけて、ラスはオクラホマに来ることになっていた。
7月11日、12日にはタルサで、15日、16日にはOKCで、子どもを対象とした、恒例のWhy Not? Basketball Campを開催予定だったし、11日の夜には、ラスの親しい友人のコメディアンがタルサでコメディショーを主催する予定が入っている。
さすがにファンやメディアが集まるこのタイミングで、トレードが起きることはないだろうと思っていた。
私はこの頃、いつでもどこでも iPhoneを握り締め、SNSのチェックに余念がなかった。
そして11日のタルサでのキャンプは何事もなく終わり、その夜、コメディショーが始まろうとするまさにその直前に、それは起きた。
The Oklahoma City Thunder have agreed to trade Russell Westbrook to the Houston Rockets for Chris Paul, first-round picks in 2024 and 2026, pick swaps in 2021 and 2025, league sources tell ESPN.
— Adrian Wojnarowski (@wojespn) July 12, 2019
ラスが、サンダーを出て行く。
KDが去った後に、OKCに残るという決断をしてくれたラスが、とうとう、ここからいなくなる。
それも、行先はロケッツ。ハーデンのいる、ロケッツ。
ハーデンとのMVP争いで、ラスについて散々なことを言っていた、あのロケッツ。
The Rockets were Westbrook’s preferred destination basically from the beginning of this process. Other teams were only lightly considered.
— Royce Young (@royceyoung) July 12, 2019
ロイスによれば、トレード話が持ち上がってからずっと、ラスの本命はロケッツだったという。
後から、ハーデンがずっと誘っていたという話も出た。
子供の頃から仲の良いハーデンがいて、優勝も狙えるロケッツにトレードされたのは、ラスにとっては良かったと思う。
現地のロケッツファンにはアンチラスも多いし、GMも色々言ってたから、個人的には微妙だけど、ラスが行きたかったんだったら仕方ない。
サンダーのラスでいてほしかったけど、ここにいても彼は優勝できないし、壊れかけたチームをもう一度背負って戦うことは望まない。
サンダーも、リビルドに向けて少しずつ変わっていかなくてはいけない。
これは、お互いにとって必要な動き。
頭ではわかる。
でも、心がついていかない。
ラスがいなくなる。
サンダーブルーを着るラスをもう観ることはない。
ラスが、いない、サンダー。
ラスのトレードのニュースが流れる数時間前から、実は胃の調子がおかしくなっていた。胃腸が全く動かない。食欲もない。
その後、続々と出始めたラスのトレードに関する記事を読み漁り、経緯を理解し、現実を受け止めようとした。
でも、やっぱり、ただただ悲しかった。
悲しくて切なくて、辛かった。
そしてサンダーの一時代が終わる
ポール・ジョージのトレード要求に端を発し、プレスティが彼をクリッパーズに送ってから、ジェラミがいなくなり、そして、ラスもいなくなった。
こうして、サンダーの一時代が終わる。
たった6日間で、全てが変わってしまった。
7月4日、独立記念日にサンダーファンがBBQをしていた時点では、サンダーはまだ優勝を目指していた。
私も、来シーズンこそ、今度こそ、うまく噛み合って勝ちに行くんだと思っていた。
なんなら来シーズンが最後のチャンスだと思っていた。
その1週間後に、ラスを失うことになるなんて、誰が予測できただろう。
この1週間で、サンダーが解体に舵を切ることになるなんて、誰が予測できただろう。
全ては、たった6日間の出来事。
対岸の火事の火の粉が飛んで、我が家がほぼ全焼するなんて、思いもよらなかった。
ポール・ジョージのニュースが出てから、私の体調は思わしくなかった。
強がって平気なフリをしても、感情を抑えつければ身体が悲鳴を上げる。
ラスのトレード後に動かなくなった胃腸が、少しずつ動き始めてちゃんと食べれるようになったのはその5日後だった。
食べれるようになっても、まだまだ悲しみは続いた。
悲しくて辛くて、切なくて、胸がキリキリした。
大好きな選手たちが新たなチームで輝くことは嬉しいけれど、大好きなチームにその大好きな選手たちがもういないことが、残念で仕方がなかった。
来シーズン、チェサピークアリーナに通えば皆そこにいると思っていたのに、それはもう叶わない。
今も、やっぱり切ない気持ちに変わりはないし、シーズンが始まって去っていった選手を見たらまた、胸が苦しくなる可能性はある。
でもこうして少しずつ、自分の感じていること、思っていることをブログに書いていけば、きっと心は軽くなる気がするし、もっと前を向いていけると思う。
何より、私はサンダーというチームが大好きなのだから。






